大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和32(オ)820 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人鍛治利一、同丸山良策名義の上告理由第一点、第二点について。

原審の確定したところによれば、被上告人が本件土地につき昭和二五年一〇月一

五日に第二の買主たる訴外Eに売り渡し、ついで昭和二八年二月一六日同人が更に

訴外F株式会社に売り渡し、それぞれ移転登記手続を経たというのである。かかる

事実関係の下においては、社会における一般の取引観念からみて、被上告人が右訴

外会社より買戻して本件土地所有権を回復し上告人に移転することが可能であると

いう特別の事情の存する場合は格別、然らざる限りは、被上告人の上告人に対する

本件土地の売買契約に基づく債務の履行は不能の状態に立ち到つたものといわざる

を得ない。そして所論の原判示にいわゆる特別の事情についての主張立証の責任は、

買主たる上告人に属するものと解するを相当とする。しからばこれと同趣旨に出で

た原判決は正当であつて、所論の違法は認められない。

同第三点、第四点について。

所論の点に関する原審の認定、判断は、その挙示の証拠に照らし是認できる。所

論は原審の裁量に属する証拠の取捨、事実の認定を非難し、または原審の認定に副

わない事実関係を前提として原判決を非難するものであつて、採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

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裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 高 木 常 七

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